"祈り天を穿つ"の回はどんなんかなぁ、とついついプロローグ部分のみを、つらつらと作ってしまったので、もったいないからblogでアレする。プロローグしかありませんよ。
よければ、どぞー。
"祈り天を穿つ"
プロローグ
歌声が聞こえる。
誰かが、晴天を恋うているのだろうか。
歌声が聞こえる。
誰かが、雨天を恨んでいるのだろうか。
歌声が聞こえる。
「んふ。上手にできましたわ。」
歌仙むつみは、うっとりとした表情で手にした、てるてる坊主を眺めた。
縁側から見えるのは、篠突く雨。雨。雨。
この様子では、憑喪の動き次第だが、討伐も、町内任務も始まるまい。
「雨は嫌いではありませんが、憑喪を切り刻むことができないのもつまりませんわ」
手製のてるてる坊主を、愛刀・歌仙兼定の先で小突きながら、誰に言うともなく独りごちる。
「あら、むつみ様もてるてる坊主をつくっておいでですの?」
不意に声がする。ふすまを開けて、首座のぞみが立っていた。
「向こうでも、にかさんと、きっかさん、れんさんが、一緒につくっておられましたわ。にかさんが抱えきれないくらい、こーんなに」
そういってのぞみは、両手を広げてみせる。
「ねぇ、むつみ様ったら」
むつみは、視線をそちらへ向けることなく、外を向いたまま。
「うるさいですわね」
「御免なさい。むつみ様。わたくし、そんなに大声でしたかしら」
「外の雨が、よ」
「あら」
やっと、むつみはそちらへ目をやる。
「ところで、あなた、"てるてる坊主"の詩を最後までご存じ?」
のぞみは少し目を丸くした。
「最後はね。晴れさせることができなかったら、その素っ首を斬っておとす、と嚇されて終わるのよ。うふふ。斬り落とされたてるてる坊主は、多くいるのでしょうね。うふふふふ」
「そう・・・ですわね。ふふふふふ」
のぞみの丸くなった目に笑みが戻る。
少女達の嬌声が雨中を縫って響いた。
(オープニング曲に入る)
以下、通り一遍な断り書き。
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- 本項は、しんけん!!の二次創作であり、筆者の妄想によるものです。"むつのぞ"に対する見解はこんな感じです。
- 無断転載不可
以上、通り一遍な断り書き。
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